ペットも家族の一員!自己破産したら、ペットや家畜はどうなるの?

ペットも家族の一員!自己破産したら、ペットや家畜はどうなるの?

 

自己破産,ペット

自力でもはや返済が不可能なほどの借金が累積し、債務超過状態に陥ってしまうと、多くの場合には自己破産を申し立てて法的な解決をしようとします。

 

 

自己破産は、免責許可という合法的に今ある借金を0にできる特例措置が受けられる代わりに、債務者に資産があれば破産管財人がそれを差し押さえ競売にかけたりして換価処分します。

 

 

そして、換価処分した代金を債権者に対して平等に配当する決まりになっています。

 

 

自己破産にはこういうメリットもデメリットもあるわけです。

 

 

自己破産には、嘘か本当かわからないような都市伝説のような風聞・伝聞が幾つかありますよね。

 

 

そのうちの一つが、「ペットを飼っている人が自己破産すれば、ペットを取り上げられて売却処分される」というものです。

 

 

これは本当でしょうか??

 

 

自己破産に際しては、基本的に自由財産以外の資産は、没収されて換価処分されます。

 

 

高価な車や装飾品、宝石などは破産管財人によって回収されて、換価処分され、債権者に分配されます。

 

 

ですから、犬や猫などのペットも高額な血統書付きのものであったりする場合には、自己破産すれば裁判所に差し押さえられて競売にかけられたりしてしまうんでしょうか?

 

 

また、犬や猫などのペットとは別に、牛や豚や鶏などのいわゆる家畜と言われるような動物を飼っている債務者が自己破産する場合にはどうなるのでしょうか?

 

 

ここでは以下に、こういったペットや家畜の動物を飼っている債務者が自己破産の申請をする場合、その動物は資産として回収され換価処分されてしまうのか?などを中心に考えていきましょう!

 

 

 

ペットは「物」ではなく「命」という考え方

自力では返済できない借金を抱えた多重債務者が自己破産を裁判所に申し立てると、その資産について申告し、価値があると判断されるものは裁判所に差し押さえられます。

 

 

持ち家や土地をはじめ、車や宝石、金融資産に至るまであらゆるものがその対象になります。

 

 

そういった中で、自己破産を申し立てた債務者が高価なペットを飼っていた場合には、これらのペットたちも「資産」と見なさて回収され、換価処分されてしまうのでしょうか?

 

 

先に結論を言うと、基本的に「ペットとして飼っている」犬や猫などのペットの場合には、自己破産を申し立てても、競売にかけられたり回収されたりするようなことはまずありません。

 

 

動物愛護の観点からも、裁判所はペットとして飼われている動物を競売にかけたりはしないわけです。

 

 

ペットとして飼われている動物は、債務者にとっても家族の一員であるので、資産としての「物」ではなく「命」として考えられるからです。

 

 

ですから、自己破産の際にペットが取り上げられて、換価処分されてしまうという都市伝説はウソであり、その点は安心して良いと思います。

 

 

 

家畜とペットの明確な違い

自己破産,ペット
犬や猫などのペットが物ではなく命としてとらえられるために、自己破産を申し立てても裁判所に没収されず競売にもかけられないということはわかりました。

 

 

では、犬や猫ではなく、牛・豚・鶏といった一般的に家畜と呼ばれているような動物を自己破産申立人が飼っている場合にはどうなるのでしょうか?

 

 

「処分」や「売却」を前提にしていない純粋にペットとして飼っている場合

一般的に、犬や猫などと違い、豚や牛、鶏などの動物は、ペットではなく家畜として認識されていると思います。

 

 

しかし、そのような曖昧なイメージではなく、ペットと家畜の明確な線引きは存在します。

 

 

ざっくり言えば、飼っている動物が、牛や豚、鶏などの一般的には家畜と言われるような動物であっても、「処分や売却を前提としていない」で飼っていれば、ペットとして認識されます。

 

 

つまり肥育しても、売って利益を得たりせず、その生命の最後まで責任を全うして飼っているようなケースであれば、犬や猫と同等に家族の一員のペットであると見なされるわけです。

 

 

このようにペットとして飼われているケースでは、たとえその牛や豚、馬などが家畜として資産価値があったとしても、基本的に回収されませんし、競売にもかけられないと考えられています。

 

 

「家畜」として飼っている場合

牛や豚、鶏などの動物をペットではなく純粋に「家畜」として飼育しているケースにおいては、それらの家畜たちは「資産」として裁判所に判断されます。

 

 

この場合には、破産管財人にこれらの家畜は差し押さえられて、競売にかけられ換価処分されたうえで代金は債権者に分配されることになります。

 

 

ペットと違って、この場合の自己破産申立人は、動物を処分することが前提の家畜として飼っているので、裁判所も命ではなく物(資産)として扱うわけです。

 

 

池にいる鯉はどうなるのか?

よく豪邸の池などで飼われている高額な鯉はどうなるのでしょうか?

 

 

観賞用の鯉の場合、高額であれば、20万円以上で売買されていることもあるので、ペットとして飼っていても財産として売買される可能性もアリます。

 

 

また、食用の鯉でも同様に多数いる場合は、まとめて20万円以上するのであれば、財産として没収される可能性もアリます。

 

 

魚屋が水槽で飼っている魚介類も総額20万円以上するのであれば、当然没収されることもアリます。

 

 

これらの見分けは一概には言えませんので、やはり専門家に相談することをオススメします。
⇒専門家に相談する。

 

 

 

家畜をペットだと偽証した場合のリスク

以上のように、犬や猫の明らかなペットはまだしも、牛や豚、馬や鶏といった一般的には家畜の場合にも、「処分」や「売却」を前提とせずペットとして飼っている場合には資産として見なされないわけです。

 

 

このため、割と多いのが、畜産業や養豚業を営む自己破産を申し立てた債務者でも、家畜の動物を「ペットである」として偽りの申告をするケースです。

 

 

家畜を売却することによって生計を立てているような債務者がそのような虚偽の申告をしても、裁判所に調べられればすぐにバレるのでまず十中八九は認められません。

 

 

それだけでは済まないケースも多々あります。

 

 

最悪の場合には、破産法265条の破産詐欺罪や破産法268条の説明義務違反に該当する行為だと見なされ、逮捕されるリスクまであるのです。

 

 

何度も言いますが、裁判所が犬や猫などのペットを資産とは見なさず命として扱い回収もしないというのは、債務者の家族の一員だと認められるからです。

 

 

通常、犬や猫などのペットは実際そうであり、飼い主である債務者は責任と命への尊厳を持ってペットが死ぬまで大切に育てます。

 

 

一方、家畜の場合にはあくまでも、「売って代金を得るため」に飼育しているわけで、家族の一員の扱いではないのです。

 

 

飼い主自体が、家畜を売却するという物として扱っているからです。

 

 

ですから、ここを偽るということは法的にも道義的にも悪質だと見られます。

 

 

絶対にこのような詐欺行為はやめてください。

 

 

 

まとめ

自己破産を申し立てた債務者がペットや家畜を飼っている場合、資産として回収されてしまうのか?といった観点から掘り下げてきましたがいかがだったでしょうか?

 

 

自己破産しても、純粋に犬や猫などのペットの場合には「家族の一員」であると認められるために没収もされませんし、換価処分もされないことがわかって安心したと思います。

 

 

しかし、その動物たちを処分したり売却する前提で家畜として飼育している生産業者が自己破産を申し立てる場合にはその限りではないということです。

 

 

家畜は、資産として見なされるので、動物たちも当然資産として没収されて換価処分されるわけです。

 

 

もしも、畜産業者や養豚業者が自己破産を申し立てる場合には、家畜をペットとして偽って申告してはいけません。


 
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