自己破産で財産隠しを暴く破産管財人とは?

自己破産で財産隠しを暴く破産管財人とは?

 

財産隠し,破産管財人

自己破産の申立人に一定以上の資産が認められる場合、自己破産の手続きと同時に、裁判所によって破産管財人が選任されます。

 

 

破産管財人は、弁護士資格を持つ人がなるのですが、そのまま弁護士が多いです。

 

 

そして、破産管財人によって、債務者の財産は差押えられて、換価処分・売却され、債権者への配当として分配されていきます。

 

 

こういう自己破産の案件を「管財事件」と呼びます。

 

 

そして、管財事件の場合には、必ず裁判所は破産管財人を選任して、自己破産の申立人の監査に当たらせるわけです。

 

 

破産管財人は、自己破産の申し立てが適正に嘘偽りなく行われているか?調査することが主な仕事です。

 

 

そのため、その権限を与えられている破産管財人は、疑問な点があれば何度でも、自己破産の申立人へ事情聴取を行うこともできます。

 

 

自己破産の申立書等の書類に、虚偽の記載などがないか?財産隠しなどの不正はないか?などを常に細かくチェックしていくわけです。

 

 

特に、管財事件の場合には、資産(財産)をこっそり他人名義に書き換えたりして、申告から逃れようとする財産隠しのケースも多いので破産管財人のチェックの目は厳しくなります。

 

 

財産隠しについては、自己破産時にやってはいけないこととして、下記の記事でも紹介しています。
現金隠しや財産隠匿には要注意!自己破産時にやってはいけないこと

 

 

ここでは、破産管財人の仕事内容について少し詳しく説明していきます。

 

 

 

破産管財人は裁判を起こして債務者の財産を取り戻す場合もある

自己破産において、管財事件である場合には、破産申立人の自由財産を除く財産は破産管財人の手によりすべてが売却されます。

 

 

そして現金化されたのち、そのお金は債権者に分配されることになっています。

 

 

さて、この破産申立人の財産についてですが、大雑把に分けると、実は2種類が存在するのです。

 

 

それは、「自己破産の申立人が現在保有している財産」と「自己破産の申立人が現在保有していない財産」の2つです。

 

 

まず前者の「自己破産の申立人が現在保有している財産」とは、自宅の土地や建物であったり、保有している自家用車であったり、宝石や貴金属類であったり、金融機関に保有している口座にある現金だったりのことです。

 

 

これらの財産に関しては、通常、破産管財人が即座に差し押さえて没収し、換価処分して現金化したうえで債権者に配当していくので特に問題の無い財産と言えます。

 

 

問題があるのは、後者の「自己破産の申立人が現在保有していない財産」です。

 

 

これは具体的にはどういったものかといえば、借金の過払い金であったり、自己破産の申立人が友人や知人に貸してしるお金であったり、自己破産の申立人が詐欺被害に遭って騙し取られたお金などもこれに入ります。

 

 

これらの財産は、破産管財人と言えども簡単には回収できません。

 

 

特に詐欺被害に遭ったお金の回収など詐欺集団がすんなり返すわけがないので、こういった場合には、破産管財人は裁判を起こして債務者の被害額である財産を取り戻していきます。

 

 

また、「自己破産の申立人が現在保有していない財産」として多いのが、申立人が自分の財産を他人名義に書き換えたりして財産隠しを行っているケースです。

 

 

この財産隠しは、管財事件において特に多いケースなので、破産管財人はまずこの財産隠しに関しては詳細に調べます。

 

 

 

その他、破産管財人が調査すること

財産隠し,破産管財人
破産管財人は、自己破産の手続きが財産隠しなどの不正がなく、虚偽なく行われているかを監視するために、申立人の身辺を細かくチェックしていきます。

 

 

以下に主なチェック業務をざっと挙げます。

 

 

 

債務者宛の郵便物は、全て破産管財人の事務所に転送される

先にも述べたように、裁判所に選任される破産管財人は弁護士であるので、自分の法律事務所に属しています。

 

 

それらの事務所に、自己破産の申立人の郵便物は、役所からの通知書であろうが、恋人からのラブレターなどの私的な郵便物であろうがすべてが転送されることになります。

 

 

これは申立人が、財産隠しなどの不正行為を行っていないか?自己破産の申立書に記載した以外に借金などがないか?などをチェックするために行われます。

 

 

破産管財人は、財産隠しなどの不正を暴く大義名分があるので、これらの郵便物全てを本人の承諾を得なくても開封し中身を検分する権限があります。

 

 

しかし、実際には本当にあやしくて財産隠しでもやってそうな不審な郵便物でもない限りは、破産管財人が勝手に郵便物を開封することは常識的にはありませんでので、ご安心ください。

 

 

銀行などの預金通帳は全て破産管財人に預けなければならない

破産管財人が裁判所によって選任されたら、申立人は、自分の銀行や信用金庫などのすべての金融機関にある預金口座の通帳を破産管財人に預けなくてはなりません。

 

 

これも主な目的は、財産隠しに使われている不審なお金の流れ等がないかどうかをチェックして監視する目的からです。

 

 

ですから、財産隠しなどの疾しい行為などまったくやっていない場合には、通帳を破産管財人に預けていても、申立人はその口座のお金を使えないということはありません。

 

 

 

破産管財人の費用を支払えなければ自己破産手続きは進まない

以上のように、自己破産の申請をして、管財事件に振り分けられると破産管財人が裁判所に選任されて、財産隠しなどの不正がないか監視するとともに、資産を換価処分し債権者に配当する業務に当たるわけです。

 

 

ですが、この破産管財人はボランティアではないのです。

 

 

破産管財人には報酬を支払わなくてはなりません。

 

 

そして、その破産管財人の報酬を負担するのは、自己破産の申立人です。

 

 

財産隠しなどを疑われて、郵便物や預金通帳まで抑えられて、財産を差し押さえられて売却されて、嫌なお目付け役の破産管財人になんで自分が報酬を支払わなくてはならないの?と申立人は言いたいでしょうが、仕方ありません。

 

 

管財事件の場合には、破産管財人の監督がなければ、財産隠しなどの不正行為が横行してしまうでしょう。

 

 

なので、財産隠しなどの不正を防止して円滑に自己破産手続きを進める意味でも破産管財人の存在は必要不可欠なのです。

 

 

もしも、この破産管財人への報酬の支払いを拒否したり遅延したりする場合には、それに比例して、自己破産の手続き自体も停滞して、長期化してしまいます。

 

 

まとめ

自己破産における破産管財人の役割などについて考察してきましたが、いかがだったでしょうか?

 

 

申立人に資産がある場合には、それらを速やかに没収して換価処分して債権者に分配したり、財産隠しなどの不正を防止する意味でも破産管財人はいなくはならない存在だということはおわかりいただけたと思います。


 

財産隠し,破産管財人