財産も残っていない人が弁護士事務所に自己破産を依頼する場合の流れ

財産も残っていない人が弁護士事務所に自己破産を依頼する場合の流れ

 

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近年は、日本においても貧富の格差は開く一方で、ごく一部の富裕層だと圧倒的多数の低賃金労働者に二分化されつつあるといっても過言ではないでしょう。

 

 

濡れ手に粟で儲ける企業や、莫大な利益を搾取する経営者がいる一方で、働けど働けど労働条件は悪く賃金も低いままの特に非正規雇用の労働者も増大する一方です。

 

 

このような人々は、低賃金の為に、月々の生活費だけでいっぱいいっぱいで、余裕などどこにもないのが普通です。

 

 

これに加えて、大学時代に、奨学金を貸与していたケースだと、奨学金の月々の返済が家計をモロに圧迫する悪循環に陥り、それを支払うために、多くの消費者金融などから借金を重ねてしまいます。

 

 

こういう悪循環を繰り返していくうちに、やがて、借金は積もり積もって債務超過となり、月々の返済もできないほどの借金地獄に落ちてゆきます。

 

 

こうなってしまうと、もはや自力で借金問題を解決することは不可能になり、現実問題として、何らかの債務整理を行わなくては、生活自体が破綻してしまいます。

 

 

多重債務者が最もベストな債務整理の手段としては、やはり自己破産でしょう。

 

 

自己破産は、裁判所に認められれば、通常は免責許可決定が下り、借金が基本的にチャラになるからです。

 

 

自己破産の裁判所への申し立てから、破産手続きを経て自己破産宣告が受けられるわけですが、これは自分でもできます。

 

 

しかし、法律の素人である債務者本人がやる場合には、その煩雑な手続きや書類の作成に膨大な時間と手間を取られると思って間違いないです。

 

 

その上、法的手続きに不慣れなために、やり方もまずく、自己破産宣告は受けられたものの、肝心の免責許可を受けることができないという痛恨の結果になるのも、自力で破産手続きを行う際に多い失敗事例だそうです。

 

 

ですから、通例、自己破産を決意した場合には、法律のプロである弁護士に申し立てから破産手続きまでを依頼することがほとんどです。

 

 

しかし、自己破産を現実的に決意するほどの人は、経済的に困窮して、財産など残っていない人が圧倒的に多いと思います。

 

 

ここでは、以下において、財産も残っていない人が、弁護士事務所に自己破産を依頼する場合について考察していきたいと思います。

 

 

 

同時廃止は意外とカンタンな手続きの流れ

自己破産には、ざっくりと分けて、「同時廃止」と「管財事件」の2種類があります。

 

 

本来的には、自己破産は、破産で手を挙げた債務者の財産を処分して、お金に換え、それを債権者に平等に分配するという性質のものです。

 

 

ですが、自己破産を申し立てするほど経済的に追い詰められている多重債務者というのは、財産を持っていない場合が圧倒的に多く、債権者への配当もできないので、自己破産の手続きは、「開始と同時に」終結になります。

 

 

これを「同時廃止」と言います。

 

 

一方、財産を持ったまま自己破産を申し立てると、「管財事件」となり、その破産手続きは複雑になり、時間も手間もかかります。

 

 

ここでは、管財事件はさておき、大多数の自己破産者が該当するケースである同時廃止について、その手続きの流れなどを紹介していきたいと思います。

 

 

以下で、自己破産の中でも圧倒的に多い同時廃止のざっくりとした流れを例示したいと思います。

 

 

 

1.「受任」

あなたが弁護士に自己破産を依頼すると、その当日の時点で、弁護士が受任通知(弁護士が代理人として介入するよ、という通知)を全債権者に対して発送します。

 

この受任通知が届くと、貸金業者などのすべての債権者は、債務者に対して取り立て行為等を行うことが法律により禁止されます。

 

 

2.「利息制限法の法定金利への引き直し計算」

弁護士は、債権者(貸金業者)へ取引履歴の開示を要求し、その履歴をもとにして、法定金利に引き直し計算を行います。
貸金業者が取引履歴を開示する時間は通常1〜3か月ほどかかります。

 

その引き直し計算により、過払い金が発生する場合には、弁護士は貸金業者に対して、過払い金の返還を要求します。

 

 

3.「申立書類の準備」

弁護士が指示を行い、依頼者(債務者)に、申立書類の下書き及び必要提出書類を揃えます。
約1ヶ月程度は必要です。

 

 

4.「申立及び即日面接」

弁護士が裁判所に受付をして、申立を済ませ、その日のうちに裁判官と面接を行います。                            

 

5.「破産手続き開始決定」

面接したその日の午後5時に、裁判所から『破産手続き開始決定及び同時廃止決定』が出されます。

 

 

6.「免責審尋」

債務者(依頼者)は、裁判官との面接を行うために、弁護士同伴で1回裁判所へ行かなければなりません。

 

 

7.「免責許可決定」

免責審尋が吟味され、だいたい1週間後に、免責許可決定が、代理人である弁護士の元へ送付されます。

 

 

8.「免責許可決定の確定」

裁判所が免責許可決定を出してから1ヶ月を経過すれば、免責許可決定が法的にも確定されます。

 

 

以上のような流れが、自己破産で圧倒的多数を占める「同時廃止」を弁護士に依頼した場合の流れです。

 

 

 

自己破産の流れ以外にも重要になってくる資料類と手続き時間

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同時廃止の場合であっても、自己破産をおこなうためには、自己破産手続き開始・免責許可の申立書の作成を行わなくてはなりません。

 

 

そして、この申立書には、「収支に関する資料・書類」や「資産に関する資料」や「家計簿などの家計記録が明示されている書類」の添付が義務付けられています。

 

 

この破産申立書や添付しなくてはならない書類に関しては、各裁判所にって仕様の異なる書式やテンプレートが用意されているの普通です。

 

 

このあたりは、素人が勝手に判断して行うと何度も裁判所に突き返されてやり直しを余儀なくされますので、すべて依頼した弁護士の指示・方針に従うのがベストです。

 

 

同時廃止のばあいは、比較的すぐ済みそうな感じですが、それでも、約3か月〜6ヶ月という期間は、免責許可決定を得るまでにかかるのは普通です。

 

 

ですので、この間に、新生活へ向けたアクションを起こしておく必要があるでしょう。

 

 

転職を考えている人は、この期間に、目ぼしい新しい転職先を見つけておくべきですし、同じ職場で働き続ける人も、今後は借金はできなくなるので、より一層倹約して貯金を作っておかなくてはいけません。

 

 

 

まとめ

以上、見てきたように、財産がほとんどない同時廃止扱いとして自己破産をするケースで、弁護士に破産手続きを依頼した場合には、約3〜6ヶ月後には免責許可決定を受けることができます。

 

 

時間と同様、手続きも、財産を有して自己破産をする場合の管財事件と比較すれば、圧倒的に簡素であり、スムースでしょう。

 

 

同時廃止と近いものに「少額管財」というものがありますが、同時廃止に毛の生えた程度の手続きとなります。

 

 

同時廃止が、弁護士が破産手続き開始決定を受けると同時に、同時廃止決定が成される代わりに、少額管財では、破産管財人が決定されます。

 

 

そして、その後、破産管財人の事務所等において、弁護士同伴で債務者(依頼者)本人が管財人と、管財人面接を行う必要があります。

 

 

とはいっても難しいことはなく、基本的には、破産管財人から質問される事項について、率直に答えていくだけで済みます。

 

 

ただし、気を付けなくてはいけないのは、この管財人面接で、債務者であなたが虚偽の回答をしてしまった場合には、「免責不許可事由」に該当して免責許可が受けられなくなってしまいます。

 

 

なので、このあたりも事前に弁護士と綿密に打ち合わせ、基本的に全面的に弁護士の指示に従った方が賢明でしょう

 

 

これも、弁護士に依頼すれば、スムースですし、時間も最低限で免責許可決定までいけると思います。

 

 

いずれにしても、自己破産の申し立て→破産手続き→免責許可決定までのプロセスは、自力でやろうとせず、手慣れた法律のプロである弁護士に依頼して確実にそして迅速に免責許可決定を得られる方法が最善と言えます。


 
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