自己破産の申請時や、自己破産後の海外旅行に関する制約について

自己破産の申請時や、自己破産後の海外旅行に関する制約について

 

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大学時代に貸与を受けていて、就職して社会人になったものの、低賃金やブラック企業などの仕事に就いてしまい、奨学金の返済が困難になるケースが近年激増しています。

 

 

また、日経平均株価自体は上がっても、会社が儲かるだけで、その雇用形態は改善されず、非正規雇用者の割合はどんどん増していているのも現状です。

 

 

そのため毎月の生活苦に苦しむワーキングプアな状態を強いられている人の割合は歯止めがかからず増大し続けています。

 

 

そして、このような状態が続けば、あちこちに借金を重ねるようになり、やがて、債務超過に陥って月々の返済もままならなくなってしまいます。

 

 

借金でクビが回らない借金地獄の悪循環から脱せなくなってしまうんです。

 

 

そうなれば、現実的に借金地獄から逃れる手段は、債務整理をするしかありません。

 

 

とりわけ債務整理の中でも、免責許可を受けることのできる自己破産は、多重債務者にとっては切り札となる救済手段です。

 

 

免責許可決定を裁判所に下してもらえば、法的にすべての借金をチャラにすることができます。

 

 

しかし、自己破産後はそうやって借金が0になる代わりに、さまざまな不自由なことも出てくるとよく聞きますよね。

 

 

その中に、自己破産をした後は、海外旅行に行けなくなるらしいという噂もあります。

 

 

この噂は本当なんでしょうか??

 

 

ここでは、以下にこの自己破産後は海外旅行に行けなくなるのか?という疑問について掘り下げて考察していきたいと思います。

 

 

海外旅行が一時的に制限されてしまうケースとは?

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まず、債務整理の最終手段である自己破産には、2種類があるということを説明しておかなくてはならないでしょう。

 

 

自己破産には、ざっくり言えば、財産が無く、その手続きも簡単である「同時廃止」と、換価処分に相当する財産(資産)があって、破産手続きも複雑になる「管財事件」の2つがあるのです。

 

 

一般的に、自己破産と言えば、圧倒的に「同時廃止」の方が多いんですが、持家や不動産、高級車や、金融資産を持ったまま破産手続きを行う管財事件も数は少ないですが一定数あります。

 

 

海外旅行が制限されてしまうのは、この後者の「管財事件」の場合です。

 

 

言い換えれば、海外旅行の制限を受けるのは、ある程度の財産(資産)があるにも関わらず、自己破産してしまった人です。

 

 

この管財事件に該当する人が、海外旅行の制限を受ける期間というのは、自己破産手続き開始〜免責許可が確定するまでの間です。

 

 

ですが、破産手続きの期間中であっても、裁判所の許可をもらうことができれば、海外旅行には行くことができる特例措置もあります。

 

 

破産手続き開始〜免責許可確定までの期間は、ケースによって差はあるのものの、管財事件の場合には、だいたい約半年〜1年といったところでしょう。

 

 

更に、海外旅行が制限されるとはいっても、パスポートの取得は制限されません。

 

 

海外旅行以外でも一時的に制限されてしまうケースとは?

このように、自己破産手続きの期間中であっても、裁判所に許可をもらえば、海外旅行ができるわけですが、では、その他の場合についてはどうなんでしょうか??

 

 

例えば、国内旅行はどうなるのでしょう?

 

 

一般的には、海外旅行より国内旅行の方が、行く確率は高いと思います。

 

 

管財事件のケースでは、それが海外ではなく国内であっても、長期間の旅行は、海外旅行と同等の制限を受けます。

 

 

この期間は、海外旅行の制限期間と同じく、破産手続き開始〜免責許可の確定までの間です。

 

 

なので、長いスパンの国内旅行などの場合でも、必ず、裁判所に許可を取るようにしましょう。

 

 

もし仮に裁判所に無断で許可なく長期間の国内旅行や、海外旅行に出てしまった場合には、破産法によって、1年以下の懲役または、5万円以下の罰金刑に処されてしまいます。

 

 

このへんは十分に気を付けてもらいたいものです。

 

 

自己破産の手続きの期間中にどうしても自分の意思では断りかねる身内や親友などの結婚式等が海外であって外すことが難しい場合には、必ず担当弁護士に事情を話してアドバイスを受けてください。

 

 

 

仕事での出張や単身赴任はどうか?

自己破産の手続き期間中は、海外旅行や、国内旅行であっても長期の場合には、裁判所の許可を得なければ制限されるということは理解できたと思います。

 

 

では、仕事での出張や単身赴任などはどうなるのでしょうか??

 

 

長期の他の地方の支社や出張所などへの出張、または辞令が降りての単身赴任などの場合には、やはり長期の国内旅行と同じ扱いで、裁判所に許可を得なければいけないのでしょうか?

 

 

結論から言えば、これは裁判所の許可を取るには当たりません。

 

 

自己破産の申し立てをして、破産手続きの期間中であっても、「仕事上で」居住の住まいを長期間離れなくてはいけない場合に関しては、裁判所の許可を得るには及びません。

 

 

裁判所が禁止しない理由としては、自己破産の目的や社会的な意義に関連しています。

 

 

自己破産を認める目的は、借金地獄で苦しんでいる債務者の借金を0にして、そのことにより生活を、人生を再生させることにあるからです。

 

 

なので、経済生活を再生に導く行為である、仕事での長期の出張や単身赴任等は、その目的にかなう行為ということで、裁判所は制限を与えません。

 

 

まとめ

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以上、あなたが債務超過に苦しみ、債務整理の最終手段として自己破産を申し立てた場合に、海外旅行や、長期の国内旅行に行きたい場合にはどうなるのか?を中心に考察を進めてきました。

 

 

まず、自己破産でも「同時廃止」の場合には、問題ないということ。

 

 

制限が出てくるのは、処分すべき財産のある「管財事件」の場合であるということ。

 

 

そして、管財事件の場合には、自己破産手続き開始をはじめてから、手続きが終結して裁判所が免責許可の確定を出すまでの期間は、海外旅行や長期に及ぶ国内旅行は制限されるということ。

 

 

ただし、この期間であっても、裁判所に許可を取れば海外旅行も長期の国内旅行も可能になります。

 

 

加えて、この破産手続き中の期間であっても、仕事の異動による単身赴任や長期の出張などは、裁判所の許可を得なくても大丈夫ということもわかりました。

 

 

最後に、これらの自己破産手続きが終わって、免責許可決定を受けた後−。

 

 

すなわち、自己破産後の生活における、海外旅行の制限はあるのか?という話になりますが、自己破産後は、制限はありません。

 

 

自己破産によって海外旅行や、長期の国内旅行が制限を受けるのは、あくまでも一時的なものであり、管財事件の手続きを進行している期間中のみのものです。

 

 

自己破産後は、完全に自由になります。

 

 

免責許可決定が下されて、借金をチャラにしてしまうと、銀行をはじめ信用情報機関のデータベースを共有するあらゆる金融機関や信販会社などでは、ブラックリストで社会的信用は0になります。

 

 

ですが、その信用情報機関における社会的信用と、海外旅行へ行くことができる権利はまったく別ものとなりますので、その点は安心して良いと思います。

 

 

様々な風聞や噂があって、自己破産後の制限を恐れるあまり、借金地獄に苦しんでいても、自己破産の申し立てをすることに二の足を踏んでいる人も多いようです。

 

 

しかし、見てきたように、海外旅行や長期の国内旅行に関しても、どうしても行く必要に迫られた時には、裁判所の許可を取りさえすれば、自己破産手続き中であっても可能なわけです。

 

 

必要以上に、ネガティブな風聞に左右されず、このような気になることは、逐一、担当の弁護士に相談してみるのも有効な手立てとなるでしょう。

 

 

多重債務で、毎日夜も眠れないほどの借金地獄で苦しんでいるなら、迷わず自己破産を検討すべきでしょう。


 

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